吐息
「アリアさん、飛鳥さんのことを教えてください」
「せっかちねぇ、やだわ。早漏男と同じ」
「待てません」
「やだ、野蛮」
いいから、早く連れて行って。どうせここにいるんでしょう?
真剣な目を向けてそう伝えると、彼女の目も真面目になる。
「いいわ。そうね、ここに、いるわ。じゃ、こっちにきて」
彼女が立ち上がった。
そうして、リビングを出て廊下を突き進む。
窓のない長い廊下。
心なしか肌寒い。
「ここよ」
月当たりのドアを開けた。
その先にまたドアがあった。