吐息
口を塞がれ息ができない。
「すぐに効いてくる。それまで『待ち』だ。俺も、それまで『お預け』な」
真咲さんがニヤリと笑う。
その手にはアリアさんと同じ形の錠剤。
その薬を彼も自ら飲み込んでいく。
彼も彼女もドラッグ中毒ーー。
いや。
いや……。
「……い、や……っ」
「嫌っていうのも、好きのうちってね。あははははっ」
頭が痛くなってきた。
と思ったら今度はドクドクと脈打ちだして。
飛鳥さんはベッドの上で眠ったまま動かない。
ーーいや……よ、こんなの。
私……!!
薄れる意識の中、真咲さんが私の服を脱がして行く。
そのそばでアリアさんが、満面の笑みで囁いた。
「今夜は楽しみましょ?」