吐息


……。







ワタシ ホシイ 。





アスカサン ハ ワタサナイ 。







押さえつけられたままの私。





歯を食いしばり、私の首を絞めるその指を掴んで捻った。





真咲さんの指の骨が折れる音が響く。





「ぐぁ……この、クソが……っ、俺の指を折りやがった……っ!」





「離せ……飛鳥さん、は……私のなの。返して……返せ……っ」





うつ伏せのまま、手を伸ばす。





込み上げる吐き気と頭痛に耐えながら、飛鳥さんのいるほうへ手を伸ばす。





床を這って、少しでも近くにーー。





が、真咲さんに頭を踏みつけられた。



頭蓋骨が、ミシッと音を立てる。





「……ッ、ァ」





「この馬鹿が! もう死ねっ! オラ……っ!」





さらに体重を乗せる真咲さん。





割れる。





私の……アタマ……が。





……飛鳥さん。



< 163 / 176 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop