吐息
薄れる意識のなか、よぎったのは飛鳥さんの笑顔。
口に弧を描いて微笑む彼は、まるで太陽みたいにキラキラしていて、美しかった。
あぁ、飛鳥さん。
もう一度あなたと……歩きたかった。
暖かな日の下を……ーー。
ごめんなさい……。
飛鳥さん。
心のなかでつぶやくと、私は肩の力を抜いた。
ーー刹那。
目の前に黒い影が通り過ぎた気がした。
同時に私の頭にあった圧迫感がなくなる。
ッ……え?
「がはッ……」
この声は真咲さんのうめき声。
なにが……起こったの?