吐息


PM3:06



アパートで支度をしていると、陸くんからコーヒーでも飲もうと誘われた。



私は準備を早々に済ませたあと、アパートをあとにする。





JRに乗って向かう。



カタンコトンという電車の音が心地よかった。



駅前の喫茶店へ行くと、陸くんはもうすでに着いていて、店内から手を振ってくれた。



ニカっと爽やかな笑顔を向ける陸くん。



私も小さく手を上げると、足を踏み出した。





メニューを開いて、本日おすすめのコーヒーを注文する。



陸くんは、メロンソーダを飲んでいた。





彼と会うのは、久しぶりだ。





「よ、華。元気か?」



陸くんの声はあいかわらず元気で明るい。



「うん……陸くんは?」



「俺はこのとおり、元気! それより……大変だったな」


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