吐息


好きだという気持ちの代わりに、その時はぜひ声をかけてください、と。

飛鳥さんは照れ臭そうに、ありがとう、と。


今度、ご飯を食べようとお互いに約束をしたところで、アパートに到着。

私がタクシーを降りる間際、彼が頬に触れて、そっとキスをしてくれた。


切ないくらいに優しいキス。


「今日、無理言って、陸に代わってもらってよかった」

「……飛鳥さん」

「また連絡する」

「ーーはい」



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