吐息



彼を乗せたタクシーがエンジン音を響かせながら離れていく。

私は見えなくなるまで手を振って、ゆっくりとおろした。


アパートの前。


立ち尽くしたまま、余韻に浸る。


さっきまで私は飛鳥さんといた。短い時間だけど、その時間は何にも変えようのないほど貴重な時間。


私はデリヘル嬢。


だけど、こんな私でも今、恋してる。


どんなに抗おうとしてもダメ。


私は飛鳥さんが好きだ。


飛鳥さんも多分私のことをーー。


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