吐息



そこで、思い出した。


あ……そうだ、私……アリアさんに、眠らされてーー。


ハッとして、目を開けた。


ーーっ……ここはどこ?


すぐさま状況を確認すべく、あたりを見回そうとした。


その時、異様なものが口に嵌められていることに気づく。


「っ……!」


口を閉じられないよう噛ませた縄状の布。


それはーー猿ぐつわだった。

< 76 / 176 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop