吐息


「それじゃ、浅田さんごゆっくり♪」


アリアさんが、出て行こうとする。


いや……いや!!


「うぅーー!!」


心の叫び。

けれど、それも虚しく、彼女は出て行った。


バタンとドアが閉まり、静けさに包まれる。


ゆっくりと浅田さんが振り返り、私を見た。


「さて……華ちゃん。たっぷり……楽しませて、もらおうか」


「っ……」



浅田さんの欲で渦巻いた笑みに、額に滲んだ汗が頬を伝っていった。

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