吐息
ーーいいの。
これでいい。ううん、むしろ……これ以上の幸せなんてない。
すべて悪夢となるはずだった出来事が、そうならなかったんだもの。
ーーありがとう。
眠くてまぶたが落ちていく。
飛鳥さんの心配そうな眼差し。
大丈夫。
そう言おうとしたけれど、やっぱり眠たくて。
でも、平気。
彼の腕の中なら、安心して眠ることができる。
少しの間だけ、眠ろう。
目覚めたら、ちゃんとお礼を言えばいい。
そう安堵しながら、私は目を閉じた。