王女ちゃんの執事2『ひ・eye』焼きそばパン、リターンズ。
「ほっとけ!」
教室の後ろドアで待ち伏せしてやったおれに木村の第一声。
おはようくらい言えねえのか。
…って、まあ、おれもそんな心境じゃない。
「今だけしのげれば、いいのかよ」
ぴくっと震えた背中が痛ましい。
だめなのは木村もわかっている。
それなのに、やらなきゃならねえんだな。
そんなに大事か。
親との戦いに、たかが一度、勝つことが。
なんだってそこまで追いつめられちまったんだ、おまえ。
2時限め、5教科めの政経で木村はこときれた。
おれにバレていると知りながらカンニングを続けられるほど、悪いやつじゃないんだ、仕方ない。
机の脚が床をこする音に、ちらっと振り向いて見た木村は机につっぷしていた。
木村を追いつめたやつより、同じフィールドで、同じユニフォームを着て、木村に蹴りをくわらせたおれのほうが性質が悪い。
わかった。
おれも捨てる。
三者面談のあとのうちの鬼ババァの報復は、せいぜい小遣いカットだ。
死にたくなるようなものじゃない。
教室の後ろドアで待ち伏せしてやったおれに木村の第一声。
おはようくらい言えねえのか。
…って、まあ、おれもそんな心境じゃない。
「今だけしのげれば、いいのかよ」
ぴくっと震えた背中が痛ましい。
だめなのは木村もわかっている。
それなのに、やらなきゃならねえんだな。
そんなに大事か。
親との戦いに、たかが一度、勝つことが。
なんだってそこまで追いつめられちまったんだ、おまえ。
2時限め、5教科めの政経で木村はこときれた。
おれにバレていると知りながらカンニングを続けられるほど、悪いやつじゃないんだ、仕方ない。
机の脚が床をこする音に、ちらっと振り向いて見た木村は机につっぷしていた。
木村を追いつめたやつより、同じフィールドで、同じユニフォームを着て、木村に蹴りをくわらせたおれのほうが性質が悪い。
わかった。
おれも捨てる。
三者面談のあとのうちの鬼ババァの報復は、せいぜい小遣いカットだ。
死にたくなるようなものじゃない。