王女ちゃんの執事2『ひ・eye』焼きそばパン、リターンズ。
「木村んちのお兄さんて、むかしから近所で有名な秀才でね。身体が弱かったせいもあって、手のかからない浩ちゃんはほったらかしで、お母さんはお兄さんの世話ばかりしてた」
浩ちゃん、ね。
愛されちゃってんだな、木村。
「浩ちゃんだって、ウチに受かったんだから頭はいいのにさ。自慢するのはいま早稲田の政経にいるお兄さんのことばかり」
「…………」「…………」
「うちのお母さんにも、お兄さんの自慢話をして。お兄さんをほめるために浩ちゃんを、ダメな子、ダメな子って、けなすの。…あたし浩ちゃんの同級生だよ?」
「…………」「…………」
親だからって子どもを対等には愛せない。
そこは別に、いいんじゃねえの、と思う。
ひとの好き嫌いはあって当然だ。
「あのひとが浩ちゃんをほめるのなんて、あたし、聞いたことないよ。浩ちゃんは絶対、お母さんの悪口を言わないけどさ」
「…………」「…………」
そこが問題だ。
おれだって母親と父親に優劣をつけよと言われれば、パートで働いているのに洗濯も掃除もしてくれて。
そのうえ、そこそこうまい飯まで作ってくれる母親のほうが格上だ。
直接的な恩恵を受けてるからな。
浩ちゃん、ね。
愛されちゃってんだな、木村。
「浩ちゃんだって、ウチに受かったんだから頭はいいのにさ。自慢するのはいま早稲田の政経にいるお兄さんのことばかり」
「…………」「…………」
「うちのお母さんにも、お兄さんの自慢話をして。お兄さんをほめるために浩ちゃんを、ダメな子、ダメな子って、けなすの。…あたし浩ちゃんの同級生だよ?」
「…………」「…………」
親だからって子どもを対等には愛せない。
そこは別に、いいんじゃねえの、と思う。
ひとの好き嫌いはあって当然だ。
「あのひとが浩ちゃんをほめるのなんて、あたし、聞いたことないよ。浩ちゃんは絶対、お母さんの悪口を言わないけどさ」
「…………」「…………」
そこが問題だ。
おれだって母親と父親に優劣をつけよと言われれば、パートで働いているのに洗濯も掃除もしてくれて。
そのうえ、そこそこうまい飯まで作ってくれる母親のほうが格上だ。
直接的な恩恵を受けてるからな。