王女ちゃんの執事2『ひ・eye』焼きそばパン、リターンズ。
「大学は歴然とランクがあるからな。おまえは逃げようとした。でも木村。おまえは失敗したんだよ。次はやるしかねえ」
「…やっぱ、チクる…のか」
「ああ、もう。だからおまえはスペアなんだよ」
「て…めっ」
よしよし。
これがおれの木村だ。
「そうやって素直に吠えたらいいじゃん。吠えて本気だせよ。それで負けたら、その程度ってこと。いつまでも兄貴のスペアやっとけ」
「――キッツイやつだな、おまえって」
そうなのよ。
「おれも最近、知りました」
がくんと両膝のあいだに頭を落としたおれは、声だけを聞いた。
あはは、と小さく耳元ではじけた笑い声。
「えと、あの――…」
木村の笑い声が聞こえたんだろう。
足立の遠慮がちな声がした。
「ふたりとも、おなかすかない? あの、コンビニで、ちょっと…買ってきたけど」
「おう!」なにかを吹っ切るように立ち上がった木村が、さわるのもこっぱずかしいピンクの花柄のマイバックを受け取った。
「うわ。なにこれ。なんでアンパンとジャムパン?」
顔をしかめる木村に、足立のうしろからひょいと顔をのぞかせた町田が首を傾げる。
「だめですか? 足立先輩のおごりですよ。カフェオレも買ってくれました。冷たいうちにいただきましょうよ」
…ってか、町田ね。
「おまえもいっしょに行ったんだろ、コンビニ。なんで止めねえ」
「え? だって疲れた頭にはいいですよ、甘いもの」
「…やっぱ、チクる…のか」
「ああ、もう。だからおまえはスペアなんだよ」
「て…めっ」
よしよし。
これがおれの木村だ。
「そうやって素直に吠えたらいいじゃん。吠えて本気だせよ。それで負けたら、その程度ってこと。いつまでも兄貴のスペアやっとけ」
「――キッツイやつだな、おまえって」
そうなのよ。
「おれも最近、知りました」
がくんと両膝のあいだに頭を落としたおれは、声だけを聞いた。
あはは、と小さく耳元ではじけた笑い声。
「えと、あの――…」
木村の笑い声が聞こえたんだろう。
足立の遠慮がちな声がした。
「ふたりとも、おなかすかない? あの、コンビニで、ちょっと…買ってきたけど」
「おう!」なにかを吹っ切るように立ち上がった木村が、さわるのもこっぱずかしいピンクの花柄のマイバックを受け取った。
「うわ。なにこれ。なんでアンパンとジャムパン?」
顔をしかめる木村に、足立のうしろからひょいと顔をのぞかせた町田が首を傾げる。
「だめですか? 足立先輩のおごりですよ。カフェオレも買ってくれました。冷たいうちにいただきましょうよ」
…ってか、町田ね。
「おまえもいっしょに行ったんだろ、コンビニ。なんで止めねえ」
「え? だって疲れた頭にはいいですよ、甘いもの」