王女ちゃんの執事2『ひ・eye』焼きそばパン、リターンズ。
――なに?――
おれ的最速で頭を持ち上げると、それは誰かの上履きで。
よつんばいになって立ち上がりかけたおれは、瞬時に押しつけられた現状を把握した。
なにしろ上履きからズームインしたのは町田だ。
しかも壁に背中を押しつけるようにしてしゃがみこんだ町田は、両手で頭をわしづかみにして、あきらかに硬直状態。
――はあ……――
なので最初に出たのはため息。
「…あ。あ、加藤さん。加藤さん加藤さんっ」
「ぐわぁぁっ」
次に出たのは悲鳴。
だから!
エイリアンの怪力でひとの腕をつかむのはやめろ。
硬直が解けた町田の腕が食虫植物のようにおれを捕獲する。
「あのひと、ダメです! 一瞬だったけど。でもダメですっ」
いや、おまえ……。
とりあえず、ぽんぽんと頭をたたいてやってギャラリー減らし。
周りを見回して目があったクラスの女子たちに笑って見せる。
「なんでもねえから」
行って、行って。
手を振ってみたところで、明日から試験じゃなければ絶対に終幕まで見たいイベントなのはおれにもわかる。
「せんぱーい。なに転げてんの? ね、町田、だいじょーぶ? びっくりしたよぉ」
などと。
五十嵐が短いスカートをものともせずに、腰から身体を折ってのぞきこんだりしてくれちゃなおさらに。
おれ的最速で頭を持ち上げると、それは誰かの上履きで。
よつんばいになって立ち上がりかけたおれは、瞬時に押しつけられた現状を把握した。
なにしろ上履きからズームインしたのは町田だ。
しかも壁に背中を押しつけるようにしてしゃがみこんだ町田は、両手で頭をわしづかみにして、あきらかに硬直状態。
――はあ……――
なので最初に出たのはため息。
「…あ。あ、加藤さん。加藤さん加藤さんっ」
「ぐわぁぁっ」
次に出たのは悲鳴。
だから!
エイリアンの怪力でひとの腕をつかむのはやめろ。
硬直が解けた町田の腕が食虫植物のようにおれを捕獲する。
「あのひと、ダメです! 一瞬だったけど。でもダメですっ」
いや、おまえ……。
とりあえず、ぽんぽんと頭をたたいてやってギャラリー減らし。
周りを見回して目があったクラスの女子たちに笑って見せる。
「なんでもねえから」
行って、行って。
手を振ってみたところで、明日から試験じゃなければ絶対に終幕まで見たいイベントなのはおれにもわかる。
「せんぱーい。なに転げてんの? ね、町田、だいじょーぶ? びっくりしたよぉ」
などと。
五十嵐が短いスカートをものともせずに、腰から身体を折ってのぞきこんだりしてくれちゃなおさらに。