王女ちゃんの執事2『ひ・eye』焼きそばパン、リターンズ。
 おおっ! と身を乗りだした男どもの反応にパンチラは確定。
 知らねぇぞバカ。
 ちゃんと見せパンはいてんだろな?
「五十嵐、もういいからおれのかばん取ってこい。帰るぞ」
「はーい」と教室に入っていった五十嵐を見送った男どもの視線が、うろんな半目になっておれにもどってくるけども。
 おれだって役得はほしいのよ。
 このわけのわからないエイリアン町田に振り回されるなら。
「加藤さんっ」
「あとで聞くから」
 ささやいて。
「せんぱーい。試験前くらい教科書持って帰らなきゃダメだよー。かばん、めっちゃ軽いじゃーん」
 思わず顔がデレンとくずれるほど、エロかわいい顔で唇をとがらせて教室から出てきた五十嵐に、おとなしく腕を組まれてみちゃったり。
 ――あぁ――
 これで何人かは今晩、勉強なんてばからしくてやっていられないはずだ。
 しょせんただの校内定期だし。
 少しでもこの期末試験の結果がよくないと、その後の三者面談のいびりが恐ろしいガケップチ野郎なんて、おれ以外にいるとも思えない。
 五十嵐ひゅーひゅー。
 よく来てくれた。

 と、浮かれていられたのはわずかに4分。
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