Fw: R-17〜もう一度、人生をやり直したいですか?〜
***
あれから私は、何度も両親や兄に西暦や元号の確認をして、ついに母には「病院に行く……?」とまで心配されてしまった。
取り敢えず、考えても分からないものは分からないし、自分の頭を何度叩いても頬をつねっても痛いものは痛い。
戸惑いは凄いけれど、よくラノベとかにある異世界とか知らない場所に来たわけではないし、更にいえばここは自分が既に15年前に“経験した過去”なのだ。
それに……未来の自分は、今、“ドン底”にいた。
それを思えば、これは本当に過去を変える、人生をもう一度やり直すチャンス……なのかもしれない。
そんな事を考えながらぼんやりと通り過ぎる景色を電車の中から見ていると、電車が駅で停車してたくさんの人が乗り込んできた。
ふと、顔を上げると、最初に乗り込んで来た人と目が合う。
同じ高校の制服を着た、男子学生。
あっ───、と思った時には既に向こうは視線を外し、車両の前の方へと移動して行く。
あまりにも不意打ち過ぎて、心臓が止まるかと思った。
追いかけたくないのに、どうしても視線は言う事を聞いてくれなくて、盗み見るように“彼”を見つめてしまう。
すると、急に後方からポンッと肩を叩かれて、思わず大袈裟なくらいその場で飛び跳ねた。