Fw: R-17〜もう一度、人生をやり直したいですか?〜
3.15年ぶりの高校生活
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「なに、梨沙ちゃん今度はどうしたの」
「んー……なんでも、ない」
赤星と電車を降りて高校の校門に辿り着いた瞬間、なんだか急に緊張してきてつい立ち止まってしまった。
正直、15年も前の高校生活なんて部分的な事しか覚えていないし、ちゃんと馴染めるのか物凄く不安だ。
それでなくてもさっきから15年前の街並みの風景を見ては、「懐かしい」をつい連呼し過ぎて赤星に訝しげな目で見られているのだ。
ここから先はもっと気を張らなきゃ変な目で見られる事は必至だ。
……まぁ、うん。多分、タイムリープしたなんて話したところで信じてもらえる訳もないので、なんとか乗り切るしかないのだけれど。
意を決していざ校門から昇降口へ向かうと、初っ端から自分のシューズロッカーがどこか分からなくてアタフタしてしまう。15年前の出席番号なんて全く覚えていない。
そんな私を見た赤星は、顎に手を置いて何か考える素振りをした後、真剣な表情で私の額に触れてきた。
「なぁ、梨沙。お前マジで大丈夫? 熱があんじゃね? 一緒に保健室行く?」
「……いや、ないから。っていうかそれアンタが保健室行ってサボりたいだけでしょ」
私が額から赤星の手をどけてシューズロッカーの番号を視線で追っていると、
「ゴメン、ちょっとそこいい?」
と、後ろから声を掛けられて思わず飛び上がりそうになる。