Fw: R-17〜もう一度、人生をやり直したいですか?〜
3.15年ぶりの高校生活

***

「なに、梨沙ちゃん今度はどうしたの」

「んー……なんでも、ない」


赤星と電車を降りて高校の校門に辿り着いた瞬間、なんだか急に緊張してきてつい立ち止まってしまった。

正直、15年も前の高校生活なんて部分的な事しか覚えていないし、ちゃんと馴染めるのか物凄く不安だ。

それでなくてもさっきから15年前の街並みの風景を見ては、「懐かしい」をつい連呼し過ぎて赤星に訝しげな目で見られているのだ。

ここから先はもっと気を張らなきゃ変な目で見られる事は必至だ。

……まぁ、うん。多分、タイムリープしたなんて話したところで信じてもらえる訳もないので、なんとか乗り切るしかないのだけれど。



意を決していざ校門から昇降口へ向かうと、初っ端から自分のシューズロッカーがどこか分からなくてアタフタしてしまう。15年前の出席番号なんて全く覚えていない。

そんな私を見た赤星は、顎に手を置いて何か考える素振りをした後、真剣な表情で私の額に触れてきた。


「なぁ、梨沙。お前マジで大丈夫? 熱があんじゃね? 一緒に保健室行く?」

「……いや、ないから。っていうかそれアンタが保健室行ってサボりたいだけでしょ」


私が額から赤星の手をどけてシューズロッカーの番号を視線で追っていると、


「ゴメン、ちょっとそこいい?」


と、後ろから声を掛けられて思わず飛び上がりそうになる。
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