Fw: R-17〜もう一度、人生をやり直したいですか?〜
赤星と教室に向かう道すがら、色んな人に声を掛けられる。
───主に“赤星が”だけれど。
……忘れていた。
彼は綺麗な顔で人目を引くだけでなく、陽気な性格も男女共に受けが良くて、まさにクラスの人気者だったのだ。いや、もしかしたら学校中の人気者だったかもしれない。
そんな彼と私みたいな凡人がよく付き合えたなって今更だけど思う。
──確か、きっかけは……1年の時の卒業式の数日前──。
***
自由登校になっていた3年の先輩達が放課後ワイワイと楽しそうに帰って行くのを横目に、忘れ物を教室に取りに帰った時だった。
誰もいないと思っていた教室からガタッと椅子を引く音がして、教室の入り口まで後一歩という所で驚いた私は立ち止まってしまった。
夕方だからか廊下も教室も薄暗くて、気味の悪さに心拍数が一気に上がる。
ドキドキしながらもう一度そっと近付いて中を覗くと、同じクラスの赤星が窓の外を見ている後ろ姿が見えた。
……なんだ赤星か。
一気にホッとする。
だけどこんな時間まで一人で何やってるんだろうと不思議に思いつつも、なんだかいつもと違う雰囲気の彼に声が掛け難くて私はわざと音を立てて教室のドアを開けた。
すると案の定、赤星が驚いたようにこちらを振り向く。
赤星がいた事に気付かなかったそぶりをしようとした瞬間、彼の顔を見て思わず固まってしまった。