Fw: R-17〜もう一度、人生をやり直したいですか?〜
一瞬、自分の目を疑う。
…………え、泣いて……る……?
しばし呆然と赤星を見つめてしまい、赤星もワンテンポ遅れて無言でフイッと顔を逸らした。
え、なに、これは一体何事……!?
普段はおちゃらけて悩みなんて無さそうな赤星が、こんな風に泣いているところをみてしまった驚きで思わず口が半開きになる。
どうしようか瞬時に思考を巡らせたけれど、彼にとって私は少し喋った事があるというくらいのただのクラスメイトだ。
そんな奴にこんな時に声をかけられても、きっと、いや、絶対うざいだけだ。
そう自分の中で早々に結論を出すと、私は気付かなかったフリをして無言で自分の机に向かった。
赤星の方を見ないようにしているはずなのに、妙に視線を感じて背中に冷や汗が滲む。
元々私は気が利く女ではないし、正直赤星の様にモテまくりな人種は苦手な部類で関わりたくないのが本音だ。
さっさとここから逃げ出そうと、机の中に置き忘れた携帯を手に取った瞬間──。
「なぁ、」
と、後ろから呟くような語りかける声が掛けられて、ビクリと肩が跳ね上がる。
「……」
この教室に、今は私と赤星しかいない。
意を決して無言でゆっくり赤星の方を振り向くと、彼は流れる涙をそのままに苦笑いを私に向けた。
「慰めてくんねぇの?」
まさかの問いかけに、思わずポロリと本音が口を衝く。
「……え、何で私が?」
そう答えて、あまりにも冷たい返答をした自分にしまったと慌てて口元を覆う。
すると、一瞬間を置いてから赤星が突然噴き出すように笑った。