ごまドレッシング
室内干し用のハンガーラックに
今日着ていた服と洗濯物がぶら下がっている。
私の抜け殻が力もなく垂れ下がっている。
電源を入れてないパソコンに写った私は
この部屋にぶら下がっている。
どこかで人が悲しんで、どこかで人が喜んで、どこかで人が苦しんで、どこかで人がセックスをしている。
SNSに投稿された人々の笑顔に私の頬も綻ぶ。
パソコンに写ったそれは酷く醜いものだった。
自分より下を見つけて、
自分が優位にたった気分で、
今日もみんなは笑っている。
私も一緒に笑っている。
この部屋にごまドレッシングをかけて、
私にもごまドレッシングをかけて、
部屋ごと私を食べてほしい。
一言「美味しい」と言ってほしいの。
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