なんでもない恋 #01 「なるほど」の考察および完璧なスピーカーが欲しい。
 お気に入りのマグカップをそうっとテーブルに置き「なるほど」の丁度良さについてわたしの持論を述べたところ、彼は「なるほど」と、穏やかに微笑んだ。

 なるほど。彼はやはり心地よい。

「今のきみはイライラしているね」
「そう?」
「うん。そう見える」
「わかるの?」
「わかるよ」
「わかるなら、わざわざ聞いて確認するまでもないわ」
「そうだね。僕はきみを心配しているだけだよ」
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