マネキン少女
「上手く行くと思うな……」


実際そう思う。


「じゃあー。放課後、手紙書こう!るるちゃん付き合ってくれるよね?!」
「うん……」


♢♢♢
授業、休み時間の繰り返しで放課後がやってきた。


休み時間に約束した通りにユリカの家に向かう。


はっきり言って、春が居る家にはいっときも居たくない為、避難所に感じる。


ユリカは母親が居ないが、お嬢様。


ユリカの大きな家に向かうと、敷地に入る。


綺麗に手入れされた庭に白い大きな可愛い犬



ユリカの見た目だけでも羨ましいのに、持っているモノまでパーフェクトだなんて神様は意地悪だ。


玄関の扉を開くと階段を上がり、ユリカの部屋に向かう。


ぬいぐるみが並べられた棚に、お姫様が寝るような天蓋付きのベッド。


普通の女の子ならこんな部屋は似合わないだろうが、ユリカにはピッタリだ。


それは、ユリカ自身がお姫様だから。


可愛くて、お金持ちで、ピュアで、何でも持っているユリカが羨ましい。


「るるちゃん?」


ボーッとした表情で部屋を眺めていると、ユリカに名前を呼ばれピクリと身体を震わす。


「あ、あはは!ユリカの部屋ってめちゃくちゃ可愛いなと思って見とれちゃった!!」
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