マネキン少女

その数分後に、ヒロの家の玄関の扉がゆっくりと開いた。


出て来たのは小さくて華奢なオドオドとした女の子。


なんて言うか、常にキョロキョロと周りを見渡しているのが印象的だ。


私が、ガン見していたのが悪いが、向こうが私の存在に気付いたのかこちらに歩いて来て、私の目の前でピタリと止まった。


「るるちゃんですか？」


なんで、私の名前を＿＿


一瞬そう思ったが、モデル活動は本名でしているから、雑誌を見た事が有るなら知っているかも知れない。


「そうだよ……。もしかして、ヒロの妹さん！？」
「そう……です……」


ヒロの妹は大量の涙を流し始め、何が起こっているのかすら理解が出来ない。


「とりあえず、ここから移動しようか……？」
「はい……。出来ればここから離れたいです……」
「じゃあ、とりあえず家に向かっていいかな？」
「助かります……」


何が会ったかは分からないが、泣いて上手く言葉を発せない様子のヒロの妹。


目的地に向かい歩いている途中、ピタリと立ち止まる。


「どうしたの……？」
「あの……」
「うん……」
「助けてください！！お兄ちゃんが、死んじゃう！！」