マネキン少女

「そっか……」
「うん……」
「まあ、何かあったら相談してよ！」
「ありがとう！」
「てかさ、ユリカちゃんと喧嘩でもした？」


私の事なんて見てないようでなんでも知っている。


この感覚を味わうと、何もかも見透かされているかのような気分になってしまう。


穢れを知らない色素の薄い瞳とセリフが重なって、心を見透かされたような気分がして嘘が付けない。


不思議な感じ＿＿


「あ、うん！ちょっと喧嘩しちゃった……」
「大丈夫か？」
「うん。私が悪いの……」
「るるちゃんは自分を責めがちな気がするから、もっと気楽に行こうぜぃ！！」


自分の事を責めがちか。


「ありがとう！」
「おう！じゃあ、俺行くわ！」
「うん……。本当にありがとう！」


サラッと手を振り屋上から出ていく、ヒロを見送る。


あ＿＿


そう言えばヒロはいったい何をする為に屋上に来たのだろうか。


屋上に用があった訳でも無さそうだし、私の事を心配してくれて、気にかけてくれたのかも知れない。


一見、おちゃらけキャラだが皆の事を考えてくれているヒロが大好きで堪らない。


幸せな気持ちにに浸っていると、昼休みの終わりを知らせるチャイムの音が鳴り響いた。