マネキン少女
急いで扉に向かい扉を開けると、早足で階段を降りる。


教室に入ると、ユリカの姿を視線で探す自分が居た。


明るく、人見知りをしないユリカはもう皆の輪の中に入っている。


羨ましい。


それと同時に、もう二度とユリカとは友達に戻れないんじゃないかという恐怖を感じてしまう。


♢♢♢
ユリカに話し掛ける勇気も無いまま、次の日がやってきた。


誰とも会話を交わさないまま、3時限目になろうとしている。


次の授業は体育で、体育館の隅っこに有る女子専用の更衣室で緑色のダサいジャージに着替えを済ます。


体育館に集合すると、授業を知らせるチャイムの音が鳴り響き体育教師が姿を表した。


「今日の授業はバトミントンです！！」


生徒達に人気の授業なのか、一部の生徒が歓声の声を上げる。


「2人1組か3人1組になって、練習をして下さい！！」


教師のその言葉を合図に体育倉庫に向かう生徒達に着いて行く。


薄暗くて、埃っぽい空間で、バトミントンに使う道具を各自で運ぶ。


仲直りがしたいていう思いを、胸に秘めてユリカに近付いた。


「ユリカ！もし良ければ、バトミントン一緒にしない？」









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