マネキン少女
ゆっくりと立ち上がり、軽い笑顔見せた後にゆっくりとした足取りで屋上から去っていった。


確かに私は笑えるようになったのかも知れない。


その1番の理由はヒロが一緒に喜んでくれたからだよ。


♢♢♢
同じ毎日が繰り返され、雑誌の発売日の日になった。


見本の雑誌は届いているが、自分が載った雑誌が並んでいるのが見たくて、本屋に向かう。


いつもなら、何も考えないで好きなコーナーをうろつくが、ドキドキが止まらない。


恥ずかしいしくすぐったい感じが、悪くないなんて考えながら、ティーン雑誌の置いてあるコーナに向かい歩く。


そこには私が載った雑誌が置いてあった。


数十分、立ち読みしているフリをしながら、雑誌を手に取ってくれる人を待ったりなんかして。


自分の行動が不審者な気がして、家に帰る。


私の中での小さな革命は誰にも褒めて貰えず、雑誌に載ったという実感は薄れて行った。


雑誌の一コマに載っただけで、人生が逆転する事なんて起きる訳も無く、生活はなにも変わらない。


その現実に酷くガックリとしながら、明日の準備を済ませベッドに入ると瞼を閉じた。


♢♢♢
いつも通りの朝が来て、学校に向かう。
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