マネキン少女
「ありがとう。やっぱり、プロのカメラマンが撮ると綺麗に写るみたいだね!その写真……。自分でも凄く気に入ってるの……」
「いや、羽生さんは凄く綺麗だよ!身長も高いし、顔が小さいからモデルさんがピッタリ!!」


運動が得意でとにかく明るいりん。


今まで、挨拶くらいしか交わした事がなかったが、私を褒めてくれる。


「あ、ありがとう……」


今まで話した事の無かったクラスメイトと、雑誌がきっかけで繋がったかんじがする。


今まで存在感の無かったマネキンみたいな私の中に、息吹を感じる事が出来た。


「ねえねえ!羽生さんって、めちゃくちゃスタイル良いけど、なにかしているのー?」


少しだけポッチャリしたひなたが、興味津々そうにそう聞いてくる。


痩せるコツを知りたいのだろうが、私は特別な事をしていない。


でも、話を盛り上げる良いきっかけに思えた。


「うーん!歩くのが好きだから、土日は時間が許される限りウロウロしているかな?あと、3食ちゃんと食べて間食はしないようにしているくらいかなぁ……」
「うん!3食ちゃんと食べて、お菓子は食べないようにするー!!て、土日は、どこをウロウロしているの?」
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