マネキン少女
「渋谷とかが多いかな……」
「えー！楽しそう！いつか、一緒に買い物したいね！」


誰かと買い物なんて気を使うから好きじゃないけど、誘われた事は嬉しい。


「うん。楽しそうだね！」


本当の気持ちを隠して、ニッコリと微笑む私。


「ねえ、羽生さん！羽生さんて呼ぶのって他人行儀だかから、るるちゃんて呼んでも大丈夫かな？」


メグが無邪気に微笑みながら、嬉しい言葉を口にする。


今まで苗字で呼ばれる事に距離を感じていたから、嬉しくて心臓が跳ねる。


「もちろんだよ！」
「ありがとう！」
「ずっと、仲良くしようね！」


教室に居てもずっと孤独だった。


皆と会話出来る事に幸せを感じていると、教室に担任が入ってきてHRの始まりを知らせるチャイムの音が鳴り響く。


それと同時に、皆が自分の席に戻った。


担任のくだらない話が終わると、授業が始まる。今までと同じ日常。


でも、休み時間になったらめぐの場所に集まり会話に花を咲かせるなんて、青春ぽい事が出来る。


それは、私にとって真新しい日常の始まりだった。


ほんの少し雑誌に載っただけ。


でも、その噂は人から人に伝えられ今や私に凄い影響力を及ぼし始めた。







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