マネキン少女
薄暗い階段を登り重い扉を開けると、青の空が見える。


今の私は自分に少しだけ満足しているはずなのに、相変わらず美しい景色に感動する事が出来ない。


私の気になる事。


それは、ヒロの事。


他の誰でもなく、ヒロから評価を貰いたかった。


来ないかも知れないと思いながらも、ヒロを待ち侘びてしまう。


私の視線は綺麗な空なんかより、屋上の無機質な扉に釘付けだった。


ゆっくりと開く扉に、胸が高まる。


ヒロの姿から1秒でも目を背けたら勿体ないきがして、ガン見してしまう。


「よっ!」
「よっ!」
「るるちゃん!雑誌見たよ!!」
「ありがとう!どう……だったかな……?」
「光ってた!」
「頭が?」


ヒロに褒められるのが、やたら照れくさくてボケてみたが滑ってしまう。


「そそ、頭が!って、んな訳あるかーい!なんて言えばいいんだろうなー!?載ってたページ穴が開く程観察したけど、るるちゃんだけオーラが違うって言うの?」


なんか、物凄い褒められている感じがして照れてしまう。


「そんな事ないよ……」
「あるある。顔が強ばってる子が多かったけど、るるちゃんは楽しそうだった!」

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