マネキン少女
そんな事を考えながら、教室に戻る為に階段に続く扉を開く。


薄暗い階段を下っていき、教室に入った。


楽しそうに会話しているめぐの元に向かう。


「るるちゃん。おかえり！」
「ただいま！」


普通に接して貰える事に安心してしまうのは、また輪の中から意味も無く外されてしまう事を恐れているのかも知れない。


にこやかに笑い。
話を合わせる。


嫌われたくないという思いが、私を良い子として演じさせる。


嫌われないように。
嫌われないように。


そう自分を演じているうちに、数ヶ月が過ぎていた。


♢♢♢
季節も変わり、寒さが1番シンドイ時期だ。


今年は特に寒さがしんどくて、積もる事は無いものの、宙に雪がチラつく光景を見る事も有る。


季節が変わってもめぐ達との仲は壊れていない。


めぐ達といつもの様に会話していると、人の気配を感じて振り返る。


「ねえね！ちょっとの間で良いから、私も仲間に入れてもらっていいかな？」


にこやかにそう言ったのは、紛れもなくユリカ。


「大丈夫だよ！」


めぐがいつもと変わらない笑顔で返事を返した瞬間、ユリカの口角が醜く持ち上がる。
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