マネキン少女
嫌われるのは、怖い。


「まあ、りんの頼みならいいよ」


ほのかが仕方ないと言わんばかりに、返事を返す。


りんの前では喋るけど、それ以外では他人行儀な雰囲気が醸し出された。


ほのかからしたら、私は面倒な存在だろう。


そう考えたら悲しくなってしまうが、りんの顔を立てる為に少しだけ話したりもする。


酷く疲れた私が昼休みに向かったのは、学校の屋上。


ここに来ると落ち着く__


春風を感じながらボーッとして、どれくらいの時間が過ぎただろう。


屋上に続く扉が悲鳴を上げながら開き、心臓が騒ぎ出す。


心の何処かでヒロが来る事を期待していたの。


「よっ!久しぶり!」
「よっ!ヒロくんは春休みなにしていたかな?」


こうやって言葉を交わすだけで、ドキドキが止まらない。


「なんにもしてねぇ!るるちゃんはモデルとして頑張ってるのに、自分が嫌になる!!」


地べたにヤンキー座りをすると、いじけだすヒロ。


「わたしなんか……」
「ちょ!また、雑誌載ってたじゃん!なんか、同級生なのにモデルしているるるちゃんが羨ましいよ」


ヒロならモデルにもなれそうだ。


「ヒロ君もしてみたら?」

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