マネキン少女
ユリカとの仲が戻る。


そう考えただけで、気持ちが楽になった。


登校していると、いつもユリカとバイバイしていた通りに人影が見えて近付いた。


「るるちゃん。おはよー！」
「おはよう！えっ。もしかしてわたしの事待っていた？」


そこに居たのは紛れも無く、ユリカ。


「うん。そうなの！仲直り出来た事が嬉しくて、つい！！酷い事したのに、仲直りしてくれてありがとう……」


ユリカの瞳が涙で潤む。


「終わった事だから！それに、もう仲直りしたし、謝らないで！」
「うんうん。ありがとう！」


誰かと学校に登校するなんていつぶりだろう。


そんな事を考えながら、運動靴から上履きに履き替える。


教室に入ると、朝練を終わらせたりん達がくつろいでいる。


なんだか、りんに相談もせずユリカと仲良くしている自分が悪い行いをしているかのような感覚がする。


でも、りんなら分かってくれるはず＿＿
理解してくれるはず＿＿


そんな期待に胸を膨らませてしまう。


ユリカと一緒に居る事に気付いたりんが、こちらに向かって来た。


誰も悪くない事を、ちゃんと説明しなくてはならない。ちゃんと、話したらわかってくれる。
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