マネキン少女
「ユリカと同じ歳なんだよね!?」
「はい……」
「へー!大人っぽいね!!」


微かに香るタバコの匂い__


「でしよー!綺麗でしょ!」
「めちゃくちゃタイプー!!」
「るるちゃん!こいつ、るるちゃんの事がタイプなんだって!だからさ、付き合ってあげてよ!」


これは、なんなのだろう。
私は彼氏を見つけに来た訳じゃない。


嫌だななんて思っていると、走り出す車。


着いた場所は遊園地で、ユリカと共にトイレに向かう。


「るるちゃん!私の好きな人どお?」


ユリカが、好きになった人なのに悪くなんて言えない。


「大人だね……」
「でしよー!そこが好きなんだよね!!」
「でも、ちょっと悪い感じがする!」
「そこが、いいんだよー!!」
「そうなんだ……」


早く帰りたいなんて思ってしまったが、笑顔を作った。


「なんか、今までのタイプと違うね!」
「うん!今まで好きになった人は子供だったなぁ!彼は凄く大人なの!」
「何歳なの?」
「21歳!!」
「そうなんだ……」


でも、安心する。成人した大人が中学生に手なんて出さないだろう。


そう考えただけで、ホッと出来る。


遊ぶだけ__


何度も自分にそう言い聞かせ、笑顔を作る。

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