皇帝陛下、今宵あなたを殺害いたします―復讐するのに溺愛しないでください―【コミカライズ原作】
そして何を手直しするのかといえば、はじまりは初日。その花を並べてみると、とても見ていられない状態であるという所からはじまった。
茎の長さは全てバラバラ。切り口は乱雑に切り取られられているか、もしくはグリグリ折り取られたようなものまであった。⋯⋯どこかで同じようなものを見たような気がするけれども、それはさて置いておいて。
もぎ取られてしまうのは、いくらなんでも花が可愛そうだ。
そう心を痛めていたら、幸いにもその翌日からは長さの不揃いな。それでもってハサミで茎をまっすぐ切り取られたような。そんな不器用なプレゼントの生花が届くようになった。
だから、こうしてサリーが花を持参すると、自ら余分な葉を取り除き、呼吸のし易いように切り口を整える。そして、少しでも美しく華やかな状態に栄えるように出窓に並べるのが日課となっている。
名乗らないのであれば、詮索はしない。しかし、どんな形であれ、花をプレゼントされるのは心から嬉しい。
サザンメリーにも行けなくなってしまった今、すごく生きがいを感じる時間だった。
「よし、できたっ!」
「アイリスさま、本日も完璧でございます!」
「ふふっ、ありがとう、サリー」
――コンコン。
生け終わった花瓶を置いたところで、ノックがなり響く。
後片付けを手伝いながら「どうぞ」と許可すると、顔を見せた予想外な人物を見て私は驚いた。