皇帝陛下、今宵あなたを殺害いたします―復讐するのに溺愛しないでください―【コミカライズ原作】
「お前の負けだ」
――殺される!!
戦慄が心に波打ち、圧迫感に怯え、ギュッと目を閉じた。
そのとき。
「バカ⋯⋯」
泣きそうな声が耳に触れて、唇がしっとりと温かなぬくもりに包まれた。
驚いて目を剥くと、指先がグッと顎先を捕えて――熱っぽい黄金色が私を射止めたままに唇を重ね合わせていた。
――キスだ。
頭の中は疑問符一色となる。
なんで、キス⋯⋯?
「んん⋯⋯?!」
力いっぱいその胸を押し返したが、両手はいとも簡単に頭上へといなされてしまい、反論はそのまま唇に飲まれる。
逃げることもできず、まさに手も足も出ない。
彼はそれをいいことに、ぴったりと唇を押し付けて。何度も味わうように甘やかに私の唇へと噛み付く。
「やぁ――んっ⋯」
「黙れ⋯⋯」
かすかに離れたときを狙って反論を紡ごうとするものの、緩く開いた唇の隙間から舌が侵入を許してしまった。
咄嗟のことに「はぁ」と湿った吐息がこぼれ落ちてしまい。それを合図に口づけの濃度はさらに増していく。