皇帝陛下、今宵あなたを殺害いたします―復讐するのに溺愛しないでください―【コミカライズ原作】
『お願いだ⋯⋯。アイリス』
⋯⋯ほんとついてない。兄さんを疑いたくないけど、なんだか陥れられた気分だわ。
ベッドに大の字になった私は、ぼんやりと天井を眺める。
『⋯⋯わかったわよ。行けばいいんでしょ!』
了承したことで全て終えたというのに、未だ胸に広がるのは、後悔に似た不安ばかり。
もうどうしようもない、というのに⋯⋯。
―― コン、コン
暗い部屋で悶々としていると、静かなノック音が私の思考を割いた。
―― アイリス? おきてるか?
その声に促されて時計を確認すると、もう23時。
兄さんを突き飛ばし逃げたところから、3時間も経っていることにハッとした。
そんなに経ってたの?
さらに、続けられるノックにどう対応すべきか悩んでいると