皇帝陛下、今宵あなたを殺害いたします―復讐するのに溺愛しないでください―【コミカライズ原作】
あまりの変貌に立ち尽くしていると、
「あの事件の後に絨毯を張り替え、インテリアなども全て交換いたしました。陛下も落ち着かなかったようでして」
クロードさんが心中を察したように教えてくれた。
そのままソファに腰を落ち着け、待機していると、デスクから羊皮紙を手にしたクロードさんが戻ってきて、早々に話ははじまった。
「――これを、ご覧下さい」
「これは⋯⋯」
テーブル上を滑るようにして、羊皮紙が私の方へと向けられた。
そこに綴られていたのは、工事の中止と皇帝制度廃止の要求。また、合わせて皇帝との会談の要求が連ねてられていた。
「これは意見書です。数日前に、怪我をした騎士団員が、これを手に城に帰還しました。幸い怪我は、軽いもめ合いによるもので、大したこと無かったですが。
⋯⋯現在、工事中の橋は、再び占拠されているようでして」
「向こうに騎士団を置いてきたのに、なぜそんなことに――?」
突っ込むと、クロードさんは言いにくそうに「実は――」と言葉を濁しつつ、現状を詳しく説明してくれた。