皇帝陛下、今宵あなたを殺害いたします―復讐するのに溺愛しないでください―【コミカライズ原作】

そこで、朝議を控えたクロードさんとの会話は終了した。

もう少し話していたい気持ちもあったが、ルイナードがいないことで、慌ただしそうな彼をこれ以上引き止めるわけにも行かない。

その後、執務室を出た私は、部屋に戻るまでの道のりをゆったりと歩みながら、私は大切なことを思い返していた。


『俺のいない間は、この城をお前に預ける』


昨夜、濃密な時間を共にしながら、彼は私にそう告げていた


そうよ。

心配だからって、不安がってちゃダメ。

ルイナードは私を信用して、そう言ってくれたのよ。

だったら、私も、彼を信じて、帰りを笑顔で待っていないと。


不安に揺れていた自分を叱咤して、そこで頭を切り替えた。

そうすれば、自然と私の身体は動き出す。



「サリー! お願いがあるの!」


信じているからこそ、私には私のやるべきことがあるの――。

――生憎、“待て”は得意ではないの。

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