皇帝陛下、今宵あなたを殺害いたします―復讐するのに溺愛しないでください―【コミカライズ原作】

マーシーに手紙を送ったのは、三日前。クロードさんと会話をしたあと、そのまま部屋に戻った私は、会って話がしたいという気持ちを手紙へとしたためた。

ハリス先生から『交友関係』と言われて真っ先に、思いついたのはマーシーだった。

いや、彼以外いない。そう思った。

一刻も早く渡してもらえるようにサリーへ託したけれども、結局ドレイク家の使者が返事を持参してきたのは、昨夜の事。

もしかしたら、彼なりに、気持ちに整理をつけていたのかもしれない。

そして、彼からの返事に書かれていたのは、本日の予定を伺う内容だった。私は、夕食そっちのけで了承の返事を綴り、本日の再会が実現したというわけだ。


サリーの用意してくれた紅茶に口をつけながら、私たちはテーブルで向かい合う。

お茶を淹れ終えた彼女は、カウンターを少し離れた位置に移動して、こちらを見守ってくれている。


「まず、最初に、謝らせて欲しい。――この前は、城から無理矢理連れ去ろうとして、ごめん。⋯⋯僕は焦って、どうかしていた」


ふたりになったタイミングで、マーシーは私の静止を振り切りながら、テーブルに両手をついて、額までをもそこにつけた。

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