皇帝陛下、今宵あなたを殺害いたします―復讐するのに溺愛しないでください―【コミカライズ原作】
「―-あなたも⋯⋯寂しいんですか⋯⋯?」
そう指摘すると、すごく驚いたような顔をされた。
しかし、私にもわからない。なぜわかってしまったんだろう。けれど、私を捉えている漆黒の奥底は、とてつもなく不安そうに、何かを恐れているかのように揺らめいている。
グラグラと燻る。脆い何かが。
気づけば、その目元へ手を伸ばしていた。
「……今のあなたは、とても苦しそうです」
目尻に触れていた私の手に、おそるおそる大きな手が重なる。
「⋯⋯昔、大きな罪を犯しましたから、そのせいかもしれませんね」
「大きな罪を?」
問い返すと彼はそれには答えようとはせず、睫毛を伏せるだけにした。
後悔に満ちたその表情はその“大きな罪”に対してなんだろうか? 見ているだけで苦しい。
「慰めてくれますか?」
「え?」
思わぬ運びに、間の抜けた声を上げてしまった。
な、な慰めるって⋯⋯?