皇帝陛下、今宵あなたを殺害いたします―復讐するのに溺愛しないでください―【コミカライズ原作】
✳✳✳
深く、深く。
どこまでも、深く。
吸い込まれていく。
――アイリス!
沈んでいく意識のなか、かすかに聞こえてきた。
それはどんどん近づいてきて――
『――おぉ、探したぞ! アイリス』
流れ込んでくるその声を聞いて、ハッと驚いた。
あぁ、なんて懐かしい声だろう。
これは夢だ。
無意識の中で、そう確信した。
真っ暗な世界で、目を聞こえてくる声に目を閉じ酔いしれ、思い出に浸る。
『なぁに? お父さま』
『早くこっちに来なさい! 紹介したい方がおるんだ』
おそらくこれはまだ城に来たばかりの頃。
城庭をひとり散策している私を、父が大声で探し歩いていた頃が懐かしい。
見つけられないと、よく怒られていたっけ。
ほどなくして、少し畏まった声があがる。
『お待たせいたしました、皇太子さま。こちらが娘のアイリス、5歳です。息子共々、お世話になります』
皇太子――⋯?
心臓がドクンと波打つ。
『しかし、アイリスはお転んばでしてね、なのでご迷わくをかけるかと―――』
『こーたいし? 変な名前ね』
『へ、へん⋯⋯?! お前は口には気をつけろと言ってるだろう! この方を誰だと思っているんだ!!』
ゴツン! 鈍い音の後『いたーい!』という甲高い悲鳴があがった。
そこへ、クスっと小さな笑いがおきる。
『――ジャドレ、気にしなくていい』
深く、深く。
どこまでも、深く。
吸い込まれていく。
――アイリス!
沈んでいく意識のなか、かすかに聞こえてきた。
それはどんどん近づいてきて――
『――おぉ、探したぞ! アイリス』
流れ込んでくるその声を聞いて、ハッと驚いた。
あぁ、なんて懐かしい声だろう。
これは夢だ。
無意識の中で、そう確信した。
真っ暗な世界で、目を聞こえてくる声に目を閉じ酔いしれ、思い出に浸る。
『なぁに? お父さま』
『早くこっちに来なさい! 紹介したい方がおるんだ』
おそらくこれはまだ城に来たばかりの頃。
城庭をひとり散策している私を、父が大声で探し歩いていた頃が懐かしい。
見つけられないと、よく怒られていたっけ。
ほどなくして、少し畏まった声があがる。
『お待たせいたしました、皇太子さま。こちらが娘のアイリス、5歳です。息子共々、お世話になります』
皇太子――⋯?
心臓がドクンと波打つ。
『しかし、アイリスはお転んばでしてね、なのでご迷わくをかけるかと―――』
『こーたいし? 変な名前ね』
『へ、へん⋯⋯?! お前は口には気をつけろと言ってるだろう! この方を誰だと思っているんだ!!』
ゴツン! 鈍い音の後『いたーい!』という甲高い悲鳴があがった。
そこへ、クスっと小さな笑いがおきる。
『――ジャドレ、気にしなくていい』