皇帝陛下、今宵あなたを殺害いたします―復讐するのに溺愛しないでください―【コミカライズ原作】
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深く、深く。

どこまでも、深く。

吸い込まれていく。


――アイリス!


沈んでいく意識のなか、かすかに聞こえてきた。

それはどんどん近づいてきて――


『――おぉ、探したぞ! アイリス』


流れ込んでくるその声を聞いて、ハッと驚いた。


あぁ、なんて懐かしい声だろう。

これは夢だ。

無意識の中で、そう確信した。

真っ暗な世界で、目を聞こえてくる声に目を閉じ酔いしれ、思い出に浸る。


『なぁに? お父さま』

『早くこっちに来なさい! 紹介したい方がおるんだ』


おそらくこれはまだ城に来たばかりの頃。

城庭をひとり散策している私を、父が大声で探し歩いていた頃が懐かしい。

見つけられないと、よく怒られていたっけ。


ほどなくして、少し畏まった声があがる。


『お待たせいたしました、皇太子さま。こちらが娘のアイリス、5歳です。息子共々、お世話になります』


皇太子――⋯?

心臓がドクンと波打つ。


『しかし、アイリスはお転んばでしてね、なのでご迷わくをかけるかと―――』

『こーたいし? 変な名前ね』

『へ、へん⋯⋯?! お前は口には気をつけろと言ってるだろう! この方を誰だと思っているんだ!!』


ゴツン! 鈍い音の後『いたーい!』という甲高い悲鳴があがった。

そこへ、クスっと小さな笑いがおきる。


『――ジャドレ、気にしなくていい』

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