初恋交響楽
* * *
お見合いの話が出てきたのは、今から1ヶ月前のことだった。
「えっ、お見合い?」
父親から事情を聞かされたわたしは驚きのあまり、思わず聞き返した。
「おじいちゃんの友達が融資の援助をしてもらう代わりに孫同士を結婚させて欲しいと言うことなんだ。
芽郁、お前を相手に売るようなことになってしまって申し訳ない」
そう言って謝ってきた父親に、
「う、売るって…」
わたしは何を言えばいいのかわからなかった。
だけども、父親からして見たら複雑な気持ちなのはわかった。
“政略結婚”なんて体よく言っているけど、要はお金と引き換えに自分の子供を相手に売ること…だもんね。
そのことに関しては、特に何も思っていない。
お見合いの話が出てきたのは、今から1ヶ月前のことだった。
「えっ、お見合い?」
父親から事情を聞かされたわたしは驚きのあまり、思わず聞き返した。
「おじいちゃんの友達が融資の援助をしてもらう代わりに孫同士を結婚させて欲しいと言うことなんだ。
芽郁、お前を相手に売るようなことになってしまって申し訳ない」
そう言って謝ってきた父親に、
「う、売るって…」
わたしは何を言えばいいのかわからなかった。
だけども、父親からして見たら複雑な気持ちなのはわかった。
“政略結婚”なんて体よく言っているけど、要はお金と引き換えに自分の子供を相手に売ること…だもんね。
そのことに関しては、特に何も思っていない。