Crush~いつも君を想う~
「林太郎さんの過去に何があろうが、林太郎さんが誰とつきあおうが私には関係がないってわかっているんだけど…でも、嫉妬せずにいられなかった」

「一果さん…」

一果さんは自嘲気味に笑うと、
「ごめんなさい、林太郎さん。

我ながら何を言っているんだろうね」
と、言った。

「そんなの別にいいよ。

俺だって、同窓会の時に一果さんの同級生に嫉妬したって言う前科があるんだし…ある意味、お互い様だよ」

俺は一果さんに言った。

「お互いがそばにいるんだから」

「林太郎さん…」

俺の名前を呼んだ一果さんが愛しくなって、俺は彼女を抱きしめた。

「俺は一果さんがそばにいるだけで幸せだから」

「私も林太郎さんがそばにいてくれて嬉しい」

俺たちは見つめあうと、コツンとお互いの額をあわせた。
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