Crush~いつも君を想う~
 * * *

今から1週間前のことだった。

「ただいまー」

林太郎さんが家に帰ってきたので、
「お帰りなさい」

私は彼を迎えに玄関へと足を向かわせた。

「一果さん」

私が玄関にきたのを待っていたと言うように林太郎さんが呼んだ。

「何?」

「少し話をしてもいい?」

「…い、いいよ」

林太郎さんの顔はどこか浮かない様子だった。

仕事で何か嫌なことでもあったのだろうか?

それとも、また例の嫌がらせが再開されたのだろうか?

でも、それに関しては林太郎さんが直接本人のところに行って説得したから解決したって言っていた。

彼のおかげでそれまで続いていた嫌がらせもなくなったし…だけど、林太郎さんの顔は浮かないままだった。
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