Crush~いつも君を想う~
「そうですね…」

私はそう呟くと、
「私が長濱さんと結婚することで実家や工房が助かるならば…と言うところですかね」
と、答えた。

我ながらいい加減な答えだ。

でも私は千世ちゃんの身代わりでお見合いをしているのだ。

千世ちゃんが嫌がったように、長濱さんも嫌がっている可能性がある。

「長濱さん、もし結婚が嫌でしたら無理をしなくていいと思います。

両親には私の方から説明して…」

そう思いながら話を切り出したら、
「俺は結婚して家族が欲しいと思っているんです」

長濱さんがさえぎるように言った。

「えっ…」

結婚とか家族とかって、
「お見合いとか政略結婚とか関係なくて、ただ単に家族が欲しいと思っているんです」
と、長濱さんが続けて言った。
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