Crush~いつも君を想う~
産婦人科医院を出ると、その足で私は『ながはま屋』へと向かった。

「一果さん」

店に現れた私を林太郎さんは迎えてくれた。

「林太郎さん…私、妊娠してた!」

「ほ、ホントですか!?」

驚いたと言うように聞き返した林太郎さんに、私はカバンから先ほどもらったエコー写真を取り出した。

「これ…」

林太郎さんは私と一緒にエコー写真を覗き込むと、
「本当だ…」

そう呟いたかと思ったら、その場に座り込んでしまった。

「えっ…り、林太郎さん、大丈夫!?」

突然座り込んでしまった彼に、私はオロオロとすることしかできなかった。

「どうしたの?」

何事かと言うように、奥の方から林太郎さんのお父さんとお母さんが顔を出してきた。
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