Crush～いつも君を想う～

「おはよう、一果さん…」

林太郎さんが起きてきた。

「おはよう、林太郎さん」

キッチンに立っている私の姿を見た林太郎さんは、驚いたと言うように目を見開いた。

「えっ、な、何で…！？」

私がキッチンにいる理由がわからないと言うように戸惑っている林太郎さんに、
「林太郎さん、１６週目ですよ」
と、私は言った。

「１６週目…ああ！」

林太郎さんは思い出したと言うように手をたたいた。

「つわりはもう終わったって言うことだよね？」

「うん、気持ち悪いのはもうなくなってた。

久しぶりに料理もできたし」

テーブルのうえには先ほど私が作った朝食が並んでいた。

炊きたてのご飯に大根とにんじんとたまねぎのみそ汁、ほうれん草のおひたしにたまご焼きだ。

「食べようか」

「うん」

私たちは椅子に腰を下ろした。