Crush~いつも君を想う~
「大きくなったね」

私の前に座っている林太郎さんは愛しそうに私のお腹をなでた。

「あっ、動いた」

胎動だ。

お腹の中の赤ちゃんは元気に動いていた。

「お父さんですよー」

ポコッと動いた私のお腹に向かって林太郎さんは声をかけた。

すっかり父親の顔である。

そんな彼が微笑ましくてクスクスと笑っていたら、
「もうそろそろで性別がわかるんじゃない?」
と、林太郎さんが聞いてきた。

「ああ、そうだね」

「どっちかな?」

「林太郎さんはどっちがいいの?」

私の質問に、
「男の子も女の子もどちらも楽しそうだけど…俺は無事にこの子が産まれてきてくれたら、それでいいと思ってる」

林太郎さんは答えて、また私のお腹をなでた。
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