Crush~いつも君を想う~
「逆子、ですか…?」

いつものように検査を終えた時、医師から告げられた言葉に私は耳を疑った。

「ええ、逆子ですね」

私の聞き間違いじゃなかった。

「まだ自然に治ることもありますので、とりあえず逆子体操してみてくださいね」

医師は1枚の紙を私に渡してきた。

その紙には、先ほど医師が言っていた“逆子体操”の詳しい内容が書かれていた。

「これ、読んでみてね」

「はい…」

検査を終えて診察室を後にして病院を出ると、私はお腹に視線を落とした。

「大丈夫かな…」

とりあえず、今は自分がやれるだけのことをやろう。

医師も治ることがあるって言っていたんだし、やるだけのことをやろう。

そう思いながら、私は家へと帰ったのだった。
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