Crush~いつも君を想う~
その夜。

「へえ、それはよかったじゃない!」

千世ちゃんに電話をしてお見合いのことを伝えると、彼女から返事が返ってきた。

「お見合い相手の『ながはま屋』の主人が一果のことを気に入って、一果もその主人のことを気に入ったんでしょ?

よかったじゃない!」

「まあ、うん…」

「いやー、よかったよかった!」

千世ちゃんはワハハと豪快に笑った。

「それにしても…わかっていたけれど、本当に気づいていないのね」

千世ちゃんはやれやれと息を吐いた。

「さすがにどこかで気づくんじゃないかと思ってたけど、全く気づいていないみたい」

そう言った私に、
「それくらいそっくりだと言うことなのか、ただ単に興味がなかったりして」
と、千世ちゃんは言い返した。
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